校長室から 3月

 毎年のことですが、卒業式が近づいてくると、1日の過ぎるのがとても早く感じられます。特に残り1週間を切ると、あっという間に過ぎていくように感じます。
 卒業式に向けて、特別講師の方にご指導いただき、合唱の練習を進めてきました。昨年11月の道徳の研究発表会の際の合唱練習も入れると、各学年、年間で数回ご指導をいただきました。
 そして、今日が卒業式に向けての5・6年生の合唱練習の最後の日でした。いつものように講師の方の絶妙な指導に、子どもたちは引き込まれていきました。6年生の頭声発声は、1学年上ということもあり、さすがに上手で、5年生の児童は、その素晴らしさに聴き入っていました。そして、後半、6年生の合唱を5年生が聴いて、感想を述べるという場面がありました。5年生の児童からは、「歌声がきれいでした」「高音と低音のハーモニーがすばらしいと思いました」等の感想が出されました。まさに、「こんな歌声を桜小の伝統にしていってください」と言わんばかりの歌声でした。
 そして、合唱練習がすべて終わり、授業終了の挨拶が終わった後、6年生の児童から、講師の先生に「先生のお陰で合唱がうまく歌えるようになりました」「先生のご指導をこれからも生かしていきます」のように、感謝の言葉が出されました。そして、最後に、6年生全員から大きな声で「ありがとうございました」と、心から感謝の言葉が述べられました。そんな素直で健気な姿を目のあたりにして、傍らで見ていた我々の目にも、講師の先生の目にもうっすらと涙がにじみました。5年生の児童も、その光景を神妙な面持ちで見守っていました。後で担任に聞くと、具体的にこうしなさいと指示を出したわけではなく、子どもたちがほぼ自主的に行ったということでした。
 卒業を控え、今日の美しい歌声だけでなく、お世話になった方に、皆で声を一つにして、精一杯の感謝の気持ちを表すことの大切さ、素晴らしさ、そんな立派な贈り物を6年生の児童は、次期桜小学校の最上級生に送ってくれたなと思いました。「伝統を引き継いでいってください」と、言葉ではよく言われますが、まさにこのことだと、5年生は感じたに違いないと思いました。
IMG_1377 IMG_1384

カテゴリー: 校長室から