校長室から(12月)

 早いもので、師走に入りました。山々は木の葉を落とし、やがて動物たちも冬眠の時期を迎え、冬籠もりに入ります。2学期も終わりが近づいてきました。運動会、学習発表会等の大きな行事も終わり、学校は穏やかにまとめの時期に入ってきました。

 先日、ふと興味深い記事を目にしました。リオ五輪で日本が体操男子団体金メダルを獲得したときの立役者、白井健三選手のお話です。
彼は、2013年10月、世界選手権に17歳で初出場し、金メダルを獲得しました。この大会において、彼は前人未踏の「4回ひねり」など、新技を3つも披露し、世界を驚かせました。その白井選手はどのような家で育ったのかという記事です。
 その記事によると、白井選手のお宅のリビングの壁には、すだれのようにメダルが飾られているそうです。子どもの頃から獲得したメダルを壁に掛けていったら、そうなったそうです。それは、来客者に対する自慢ではなく、親として活躍や努力を認めてあげる行為としてやっているとのこと。また、満点だった漢字テストや上手に描けた絵、書き初めなどを「うまいじゃないか」と言って貼るなど、あらゆる「成果」を飾られたそうです。
 また、もうひとつ大切にしていたことが、リビングではリラックスできるようにすることだそうです。家では、体操の話は一切せず、テレビのチャンネル権も子どもに譲り、小言も言わないように気をつけられたそうです。ついつい小言を言いたくなってしまうのですが、小言を言ってしまうと、リビングが説教部屋になることになり、自分の部屋にこもってしまうため、そうならないように心がけられたそうです。脱いだ服は脱ぎっぱなし、食事をしても食器はそのままなのですが、何の文句も言わず、お母さんがフォローされていたとのことです。せめて家の中では、子どもをリラックスさせたいという母親の気持ちを、ブレることなく、貫かれたそうです。
 このように家では特には、手伝いをさせていなかったようですが、大学での寮の仲間からは、彼がいると寮がきれいに片付くと言われているそうです。料理も完璧にやっているとのことです。まさに親の背中を見て育っていったようです。
 
 もちろんこれは一つの例であり、お手伝いを否定したり、何でもやりっ放しにさせたりするとよいということではありません。

自分はかけがえのない存在なんだという自尊感情を高め、自信をもたせてあげること、手放しでリラックスできる時間と空間を提供してあげることは、子育て、人育てに大切であると改めて思いました。
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校長室から(11月)

 校庭の桜の木に、小さな花を見つけました。一時的な小春日和を春と思って暖かさに誘われて咲いた、季節はずれの花です。そのような花を見つけるたびに、季節は秋から冬に向かっているなと実感する今日この頃です。
 先日、清掃の時間にあちらこちらと動いていたら、たいへん熱心に清掃している児童に出会い、思わず見とれてしまいました。
 その児童は、職員室横の流しを清掃していました。しかし、普通の拭き掃除ではなく、排水溝のふたを取り、古い歯ブラシを使って、その配水管の中をきれいにしているのです。手には触れていませんが、中から茶色の、どろっとした汚れが出てきました。それをていねいに掻き出し、次に横にいた児童がビニル袋で手際よく取ります。なかなかできる事ではありません。清掃自体も凄いのですが、そういった所に気付くことも素晴らしいなと思いました。
 また、その後、児童玄関の近くに行ったのですが、ここでもまた熱心に掃除をしていました。でこぼこした床であり、ほうきで普通にはいただけでは、砂やほこりは取れません。毛先の堅いミニほうきを縦にしたり横にしたりして、何度も砂を掃き出していました。斜めから見ると、汚れがもっと見えるよと言うと、視線を低くして、ゴミを確認して、何度も掃いていました。こういった姿は、もちろん朝礼でも紹介しました。
 清掃も含め、何事も決められた事をきちんとこなすことはもちろん大切ですが、それ以外にできることはないかと考え、気付き、実行することも大切です。我々もそういったことを意識して子どもたちを育てていこうと改めて思わされました。
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校長室から(10月その2)

 10月13日(木)、弥富市サッカー・バスケットボール競技会が開催されました。選手の児童は、今までの練習の成果を十分発揮すべく、一生懸命頑張りました。最終的な結果としては、上位には届かなかったものの、また桜小の子どもたちの素晴らしさに出会いました。
 一つ目は、最後まであきらめない粘り強さ、ひたむきさです。サッカーもバスケットボールも結果的には少々点差が開いてしまったのですが、どちらの選手も最後まで誰一人としてあきらめることなく、負けることが濃厚になっても、ひたむきに点を取りにいっていました。その姿は、実に清々しく、輝かしく、心を打つものでした。
 二つ目は、礼儀正しさです。私が役員を務めていたバスケットボール会場では、開会式・閉会式で、桜小の選手は、集団の北側の一番端に整列していたのですが、前で役員の方々が話をされる時になると、特に号令がかからなくても自然に中央を向き、話をされる方々の方に体を向けて、しっかりと話を聞いていました。普段から朝礼や集会で行っていることですが、そのような態度の大切さをきちんと理解して、然るべき時に行動に移すことができるところが実に素晴らしいと思いました。これから、いろいろなところで、人の話を聞くときは、話をされる方を見て聞くことができると思いました。また、自分のチームの試合がないときでも、観戦の態度が良く、礼儀正しく振る舞うことができました。
 我々職員も、今後とも子どもたちのこういった良い面を大いに褒め、伸ばしていきたいと思います。
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