校長室から(7月)

東海地方も梅雨が明け、アブラゼミやニイニイゼミが鳴き始めました。いよいよ夏本番の到来です。7月22日は二十四節気の一つ、大暑、大暑からお盆までは極暑(ごくしょ)です。炎天下で灼けつくような暑さがやってきますが、子どもたちには、熱中症にはくれぐれも気をつけ、夏ならではの行事を大いに楽しんでほしいと願っています。

先日、素晴らしい児童に出会いました。私が一人の児童に注意をしました。怒鳴るような注意ではありませんが、やや厳しめな言葉で注意をしました。注意した後、「少し言い過ぎたかな」と気になり、また後で声をかけに行こうと決めていました。すると、その数時間後、担任の先生と校長室へ一人の児童がやってきました。先ほど注意した児童です。その児童は頭を下げ、笑顔で、「さっきは注意して下さってありがとうございました。注意してくれて、いけないことが分かりました」と話しました。その児童と話していて、先生の前だから言っているだけという感じではなく、正に反省している、すがすがしささえ感じられました。私は「よく分かってくれてありがとう。そして、こうやって私の所に来て感謝の言葉を述べることの大切さを教えてくださったあなたの担任の先生、あなたはよい先生に出会いましたね」と話しました。

注意を受けて、「すみませんでした」や「ごめんなさい」は言えるのですが、「注意してくれてありがとうございました」まではなかなか言えないものです。注意されたお陰で気付くことができ、その分、自分の人生が豊かになります。注意する側も、人に注意するのはあまりうれしいことではありません。それらのことを考えると、注意されて「感謝」だと思います。このことは、全校朝礼でも話しました。注意を聞くことも含め、人の話をきちんと聞くことができる素直さ、謙虚さをこれからも大切にしていってほしいと願っています。

ご存知の通り、桜小学校は、道徳教育の研究を始め、今年で4年目を迎えました。昨年度までの積み重ねの上に、今年度もさらなる積み重ねをしています。毎週どこかの学級で研究授業を行い、授業検討会を行っています。道徳の授業の内容をホームページに掲載して、家庭でも話し合っていただいています。この1学期間で、自信をもって自分の考えを発言することができる児童も増えてきました。

職員も、研究授業に、地域清掃・地域へのあいさつ運動に、道徳に関する校内環境整備等々に、実に熱心に取り組んでおり、道徳研究の推進のお陰で、校内に活気が出てきていることを改めて感じる毎日です。

今年度、来年度とさらに研究を重ねることにより、子どもたちが健全に育ってくれることを願うとともに、われわれ教員も指導力を向上させていこうと考えています。


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校長室から(6月)

6月は梅雨の季節。先日、東海地方も梅雨に入りました。町や野山を彩っていた若葉も、青葉に変わりつつあります。新緑の季節は惜しいことにほんの束の間ですが、よりしっかりとした青葉を待ち望む今日この頃です。夏ももうすぐです。

桜小学校では、道徳教育の研究を続けて今年で4年目になります。昨年度までは、「自他を認め、よりよい人間関係を築く」ことについて研究を進めてきました。今年度と来年度は、「自己への問いかけを深め、よりよい生き方を求める」ことについて研究を進めています。そして、その中で「心の成長を実感できる」道徳教育を推進していきます。

ひとつの題材をもとにお互いに考えを出し合い、意見交換する中で、自分にはなかった価値観や考え方に触れることにより、自分の中に新たな価値観を形成して、心を成長させようというものです。愛知淑徳大学の柴田八重子先生にご指導いただきながら、子どもたちに心の成長を実感させられるような授業を展開しようと、全職員一丸となって研究に取り組んでいます。

また、授業だけではなく、友だちの良いところを見つけようということで、『いいとこ見つけの木』を作成して掲示板に設置したり、地域の一員としての自覚を高めさせようと、公園で地域清掃を行ったり、「思いやり」、「公共心」、「信頼」などといった道徳に関する価値項目を言葉にした『のぼり』を作成して街頭の数カ所に設置したりしました。   

道徳教育の推進のもと、いろいろな動きが出てきました。先日の南ブロック小学校陸上競技会では、男子5位入賞、女子3位入賞を果たしました。なぎなた部の活動も始まりました。やがて、各部活動も始まります。学校全体が活気づいてきました。


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校長室から(5月)

立夏を過ぎ、風薫る5月。野山には白い卯の花が咲き、春から夏へ草木の花は紅から白へと移り変わる。薫風は木々を揺らし、若葉をそよがせ、あたりを夏色に染めていく。すべてが成長する新緑の季節の始まりです。

新学期がスタートして1ヶ月が過ぎました。子どもたちも職員も新緑の季節にふさわしく、はつらつと生活しています。

今年度は、朝礼や集会における入退場の順番を変えました。高学年が静かに入場し、低学年が整列するまで静かに待ちます。退場も、高学年が整然と退場し、低学年がその姿を見てまねをして、退場するというものです。以前は低学年が先に入退場していました。特別なことではないかもしれませんが、高学年、特に6年生には学校全体のお手本であるという意識が今まで以上に芽生えてきました。頼もしく思います。

その6年生が先日、修学旅行に行ってきました。事前に、周りの人が幸せな気持ちになるように、「こんにちは」「ありがとうございます」「さようなら」といった挨拶をきちんとしてきましょう、できれば相手の方よりも先に挨拶しましょうと話をしました。すると子どもたちは、旅館の方や見学地の職員の方、一般の方々にもたくさん挨拶をしていました。また、旅館の方からは、「礼儀正しい子たちですね」といったお言葉も頂戴しました。挨拶をされた方の顔を意識して見ていましたが、瞬間顔が緩み、その場の雰囲気が和やかになるのがよく分かりました。また、現地の職員の方には、「よく挨拶してくれてすがすがしいです」と言われました。旅館では、下足箱の靴のかかとがきちんとそろえられており、旅館も美しいのですが、かかとがきちんと並んだ靴の入った下足箱、玄関が一段と美しく見えました。

これからも温かい挨拶やはき物そろえはもちろんですが、ちょっとした笑顔や優しい声かけ、人を思いやる優しい振る舞いなどにより、人を幸せな気持ちにさせられる、そんな心優しい子どもたちを育てていきたいと思います。


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